『セクシーボイスアンドロボ』

黒田硫黄の『セクシーボイスアンドロボ』1、2巻を読む。ドラマではまったミーハーだと思われたくないので(実際にはその通りなのだが)電車の中ではカバーをかけて。いや面白いです。原作のファンの中には、こういう場合の常として「ドラマ化には不満!」…

「ニューヨーカー」の時代

少し前の本になるが、常盤新平の『「ニューヨーカー」の時代』がめちゃめちゃ面白い。 「ニューヨーカー」の時代作者: 常盤新平出版社/メーカー: 白水社発売日: 1999/10メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る 冒頭、雑誌「ニュー…

朝日新聞書評欄

なんとなく今まで「エライ先生たちの書評」というお堅いイメージのあった朝日新聞書評欄だが、今日の書評からは少しやわらかい印象を受けた。書評委員が替わったせいだろうか。いろいろな意味で読ませる書評が載っている。(好きな人がいなくなったりもした…

滑り込みたい感じ

あらゆる仕事を投げ出して誰かと話したい、そう思うような、人恋しい昼下がりがある。某作家に電話をしてみたり、メールを出してみたり。でもみんな忙しいので(当たり前だ)あまり構ってもらえない。とにかく、誰かと話したくてしかたがないのだが、考えて…

エリザベス・ギルバートの内側と外側

『考える人』2007年春号では橋本治と高橋源一郎が対談している。奇しくも、(文化系トークラジオLifeのパーソナリティでもお馴染み)仲俣暁生さんの「心の師」VS「仮想敵」だったので買ってみた。 考える人 2007年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮…

『夢を与える』

なんということだ。「最高の夜」を過ごしてしまったその反動のせいなのか、夜のとばりが降りてからというもの完全に思考がダウナーに入っている。世界の誰からも見捨てられているのではないかという、ありがちといえばありがちな、例の不安である。それで眠…

下北沢の古本屋「気流舎」

春の陽気に誘われてひさしぶりに下北沢を散歩。新しくできた古本屋「気流舎」に入ってみた。店の名前が示すように、棚はカスタネダの本をはじめとする精神世界ものが中心を占め(といっても、昨今はやりの「オーラ」とかその類のものはない)、あとはサブカ…

『コーマルタン界隈』

とある人に熱烈に勧めてもらった山田稔の『コーマルタン界隈』。すばらしい本だ。文体のリズムがこれほどしっくりくるとは。どうして今まで知らなかったのか。堀江敏幸の文体に与えた影響もはかりしれないのだが、「フランス現代思想」がブームとして巻き起…

多和田葉子と須賀敦子

多和田葉子『アメリカ 非道の大陸』を読み始めた。恥ずかしながら多和田さんの作品を読むのはこの本がはじめて。ドイツ在住の著者がアメリカを訪れる紀行文なのだが、いわゆる「私」が移動する形でのロードノヴェルではない。この本に散りばめられたエピソー…

『変死するアメリカ作家たち』

坪内祐三『変死するアメリカ作家たち』を読了。とある人が絶賛していた理由がよくわかった。まだ単行本を出す前の坪内さんが書いた文章をもとに構成されていて、本人いわく「若書き」であるが、青年・坪内祐三の顔をかいま見ることができる。といっても、書…

黒猫

ポーの「黒猫」を新訳で読んでいる。以前はなんだか怖いという印象が強かったが、今回読み返してみるとこの語り手がおそるべきダメ男であることに気づく。こんなにダメだったか。黒猫/モルグ街の殺人 (光文社古典新訳文庫)作者: ポー,小川高義出版社/メーカ…

『東京から考える』について

例によってブレインストーミング的だからほとんど推敲もしておりません。東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)作者: 東浩紀,北田暁大出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2007/01/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 14人 クリック: …

『不安の書』!

夢の中に太った少年があらわれる。 少年はその天才的な才能と悪魔的な性格ゆえに周囲の子供たちからあきらかに浮き上がり、いじめやそれに類するような陰湿ないやがらせも受けているのであったが、その天才的な才能と悪魔的な性格によって自分に敵対する雑魚…

孤立

テンションが上がりすぎた次の日はよろしくない。朝からどんよりとした気分。だが今日は大ファンであるところの某作家へのインタビューに立ち会うのだ。新宿の写真展に寄り、映画『アンダーグラウンド』のサントラでテンションを上げて待ち合わせ場所へ。イ…

古川日出男の朗読

朝から、細かい修正点等、会社とのやりとり。夜、新宿motionにて古川日出男の朗読。小心ズのパフォーマンスとサーティーンのライヴも。サーティーンはドラムの女の子がすごくよかった。「よかったです」と声をかけると「ありがとやっす!」との御返事。古川…

赤朽葉に思うこと

早く寝ると言いながら、彼は明け方まで桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』に読みふける。山陰地方を舞台とした、母娘孫の母系3代にわたるクロニクルだが、戦後日本文化史と副題を打ってもよいくらいで、たとえばTBSの文化系トークラジオ「LIFE」で扱っているよ…

不良

今週のTBS文化系トークラジオLifeのテーマは「不良」。 http://www.tbsradio.jp/life/ 初めこのテーマにピンとこなかったけど、考えてみれば、先週の放送(テーマ「失われた10年」)で「クイックジャパン」編集長の森山さんが00年代アーティストを「マジ…