孤立

テンションが上がりすぎた次の日はよろしくない。朝からどんよりとした気分。だが今日は大ファンであるところの某作家へのインタビューに立ち会うのだ。新宿の写真展に寄り、映画『アンダーグラウンド』のサントラでテンションを上げて待ち合わせ場所へ。

インタビューは1時間ほどしか時間がとれず。某作家は多忙なのである。だがそれでも少しはプライベートに話ができてよかった。ドストエフスキー古谷実わにとかげぎす』についてなど。年齢も近く、話も合いそうだなあと思った。編集者として一緒に仕事をしたい、という気持ちもあるけれど、それ以上に友だちになりたいな、と彼は思った。
某作家は、ここに来て人気急上昇中である。各出版社の編集者が血眼になって書かせ、原稿を取り立てている。それは、作家にとって果たしてよいことだろうか、と彼は考える。そういう世界である。それに耐えられるものだけが生き残っていく。だがそんなに割り切れるものだろうか。あらゆるものを我々は「消費」しすぎていないだろうか。昨夜のNさんの声がリフレインする。「君は編集者にはなれない。小説を書け」。彼が、書くのではなくて編集の仕事のほうが面白いと思ったのは、それがよりいっそう、世の中に対して無害な形で折り合いをつけられるという感触があったからだった。だがどうだろうか。もしかしたら書く、ということのほうが、よっぽど世の中に対して無害でいられるかもしれない。より、近づけるかもしれない。


疲れたのでまっすぐ自宅に戻り、オカミとウイイレ。ついに、オカミに9連敗する。彼はあらゆるゲームにおいて、いまだかつて誰にも9連敗などしたことがない。それは彼にとってショックであった。と同時に、オカミのことを認めざるをえないなと思った。オカミは強いのだ。

夜は銭湯にいき、キョーコちゃんと下高井戸で飲む。若い子にとって「社会」というのは彼ほどには意味をもっていないらしいのだが、それはよいとしても、生きていくための情報経路から切り離されてしまっているという事態は、けっこう問題だよなあ、と思った。『わにとかげぎす』の登場人物たちが、まったく友だちというものを持たず、周囲の情報から切断されているというのは、けっこう切実なことなのかもしれない。


若い女の子と飲むのが好きな彼はいつまでも飲んでいたかったのだが、キョーコちゃんが帰るというので午前2時にはおひらき。

わにとかげぎす(1) (ヤンマガKCスペシャル)

わにとかげぎす(1) (ヤンマガKCスペシャル)

わにとかげぎす(2) (ヤンマガKCスペシャル)

わにとかげぎす(2) (ヤンマガKCスペシャル)