無間道


昨夜、一週間分の日記を書いて、そのあとお風呂に浸かっていたら急に何かが降りてきた。とある飲み会で、「最近、あんまり書きたくなるような衝動が降りてこないんだよねー」って話をしたら、その場にいたゴッド・イノウェとか称するキリストみたいな髪型の人が、「その何かと話をすればいいんですよ」と宣託を下すみたいに言ってたのを思い出して、もしかしたらその「何か」が来ちゃったのかな、やばいじゃん、なんて一瞬思ったりもしたけれど、やっぱり得体の知れないものは気持ちわるいから、とりあえず何も聴こえないし見えませんってフリをした。


そのあと布団に入って星野智幸の『無間道』のつづきを読んだら、夢中になって何もかも忘れた。でもほんとは、その「何か」と『無間道』とは深いところでつながっていて、だから私は怖くなって、とんでもない夢を見たのだ。


目が覚めたら図書館から電話があって、「あなたが借りているム……ゲン、ドウ、ですか? 予約で待っている人がいますので、至急お返しください」と言う。なるほど、わかりました。でもなんだか、次に読む人に宛てて手紙でも忍ばせたくなる。



無間道

東京ゾンビ


ひきつづき風邪。某敏腕編集者Aさんとの打ち合わせ予定も泣く泣くキャンセル。DVDで『東京ゾンビ』。監督・脚本・佐藤佐吉、原作・花くまゆうさく。黒富士から降りてきたゾンビが溢れる東京を、アフロの浅野忠信とハゲヅラを被った哀川翔が疾走する爽やかなロードムービー

お前には何かがあるって言ったのおぼえてるか? 実はお前には何もない、だが、今ならはっきり言える、何もないからこそ、無限の可能性があるんだ。それを信じて、それなりに突っ走れ。


それなりに、というあたりが名言。ちなみにこの映画に一瞬だけ登場する(0.5秒くらい横顔が写る)、「時効警察」でもお馴染みの江口のりこ。『ジョゼ〜』にも妻夫木君のセックスフレンド役で出ている。プロフィールを調べてみたら、ものすごい数の映画に出演していた。


東京ゾンビ [DVD]

ダメジン


とうとう風邪を引いてしまった。DVDで三木聡監督の『ダメジン』。ほんとにダメな人間ばかりが出てくる愛すべき映画。冒頭から風呂桶で珈琲を沸かす猫ジジイ(笹野高史!)が登場するとかしてかっとんでますが最後まで面白かった。「あのさ、人は自分のために働くんじゃないよ。誰かのために働くんだよ」というシンプルなセリフになるほどなあ、とうなずく。


ジョゼと虎と魚たち [DVD]ダメジン デラックス版 [DVD]

ジョゼと虎と魚たち


DVDで犬童一心監督『ジョゼと虎と魚たち』。くるりのアルバムは聴いていたけど映画は実は初めて。せつない。池脇千鶴がすごくいい。動物園の虎の前で彼女が発する「感謝しいや」というセリフが心に残る。誰かが誰かを一方的に救うということなど、たぶんありえないのだ。

古里庵にて


下北沢の気流舎で某出版社社長と待ち合わせ、そのあと古里庵でサシ飲み。ほとんどは小説、映画、音楽、サッカーの趣味話に終始して非常に楽しかった。ひとまわり年齢の離れた人といろいろなことを確認していく作業はとても面白い。以前からいろんなところで会ってご挨拶はしていたのだけど、じっくり差し向かって飲むのはこれが初めて。やはり、人にはさまざまなドラマがあります。

仲俣ブレインズ4


仲俣ブレインズ4回目。いよいよ終盤に入り、「恐怖」というテーマがより明確に立ち現われてくる。講義はヴィム・ヴェンダースの『東京画』をバックグラウンドムービーに。主にとりあげた作家は保坂和志吉田健一。2時間あっという間に終わり、恒例の打ち上げへでは、次が最終回だから何か書いて持ち寄るか、という話も出たけれど、今のところ特に何も書きたいことがない。例によって朝まで。


この人の閾 (新潮文庫)東京画 デジタルニューマスター版 [DVD]