『〈反転〉するグローバリゼーション』
19日に公開録音がある文化系トークラジオLife。駆け足で最近のパーソナリティの活躍を。まずメインパーソナリティのcharlieこと鈴木謙介さんが『〈反転〉するグローバリゼーション』を先月出して、書店まわりもしたらしい、とLifeのサイトに書いてあった。
http://www.tbsradio.jp/life/2007/05/charlie.html
もちろんぼくも買って少し前に読んだ。いつもLifeで喋ってるcharlieだと思って読んだのでちょっとびっくりした。ぼくはここ数年アカデミックな本を読んでいないこともあり、正直なところ、細かい部分はぜんぜん理解できていないと思う。でもそっかー、ギデンズの「第三の道」とネグリ&ハートの「マルチチュード」を架橋することで「グローバリゼーション」を読み解こうとする、という根っこの構図自体は、シンプルだけど全然ノーマークだったので蒙を啓かれるような感じがした。読みながらいろんなことを考えた。
- 作者: 鈴木謙介
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
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charlieはこの本では「なくなくなくなくもないのである」みたいな、いや本人はそんなこと書いてるわけじゃないんだけどそれに近いようなスタンスの取り方をしているように見えて、だから「おーい、charlie、あなたの意見はどっち!?」ともどかしく思える場面もある。でもそれは、敵か味方に別れたり、反発か信仰かになってしまう、そういう二者択一の議論の仕方というものに対する、静かな異議申し立てなのかもしれない。この本を上梓したcharlieが、ここからどこを目指そうとしているのか、ぼくはまだ読み込めていなくて、それは世界の思想情勢の中で鈴木謙介がどういうポジショニングをするのかってこともそうだし、charlie自身が学者としてやっていくのかLifeのような仕事をメインにしていくのかもわからないのだけど、今この『〈反転〉するグローバリゼーション』を書いたcharlie/鈴木謙介はまさにその岐路に立っているのかも、なんておこがましいことを考えたりもした。そういう意味でもリアルタイムにスリリング。同時代だし同世代だし、他人事には思えないのだ! とにかく今後も出た本はぜんぶ買うつもりです。(でもいきなり7000円の本とか出たらそんときは考え直します。)
ちなみに仲俣暁生さんが「この本は社会学者としてのチャーリーの「魂」の在処がわかる快著だと思う」と見事な一言を放っている。
http://d.hatena.ne.jp/solar/20070501#p1