東浩紀×仲俣暁生『新潮』


『新潮』6月号に掲載された東浩紀×仲俣暁生の対談「工学化する都市・生・文化」。東さんと北田暁大による『東京から考える──格差・郊外・ナショナリズム』をもとに議論したもの。三省堂での対談イベントに大幅な加筆修正をほどこしたのだろう。緊張感のある素晴らしい対談になっている。東さんと仲俣さん、両者の議論はズレを孕んでいるのだが、そのズレがしっかりそれぞれの立場を際立たせ、かつお互いがお互いの立場を批判しながらもリスペクトしているという、これぞ対談のお手本ともいうべき構成。ワクワクしながら読みました。


都市論と文学論(小説論)にパラレルな構造を見出しつつ、都市と文化の「工学化」について交わされたこの議論を読むと、『東京から考える』で東浩紀が何を主張していたのか、少しわかってきたような気がする。でももうちょっと寝かせて考えたい。それにしても、論壇等、メディアで下北沢がどう語られているかそれなりにウォオッチしてきたつもりだけど、ここまで踏み込んで〈内〉と〈外〉をつなぐようにして語られたのは、ほとんど初めてのことではないだろうか?


新潮 2007年 06月号 [雑誌]

新潮 2007年 06月号 [雑誌]

東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)

東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)