亀は意外と速く泳ぐ


冬ごもりの時期なのにいろんなお誘いがあって、おかげさまでこの先とうぶん退屈しなくてすみそうです。でもベースは冬眠ですので、今日はひとつ飲み会をお休みして(ごめんなさい)、毛むくじゃらのグルミーと遊んでみました。


それで、「時効警察」の未見だった回を観ていたら、第二話「偶然も極まれば必然となると言っても過言ではないのだ!」にラーメンを出前で取るシーンがあって、ラーメン屋の名前は「サルタナ」というのですが、これは同じ三木聡監督の『亀は意外と速く泳ぐ』に登場する「そこそこラーメン」の店で、「そこそこラーメン」というのはいつ食べても味がそこそこなんだけど、実はその味には深い秘密が隠されているのです。


この映画にも、お馴染み、岩松了ふせえりのおとぼけコメディ・タッグが登場。彼らは実はスパイをしていて、上野樹里をスパイとして訓練するのでした。まあ、なんの話か観てない人には全然わかんないと思いますが、天然ボケの上野樹里と、口が悪くて喧嘩っ早くてぶっ飛んだ蒼井優、という親友コンビがなかなかいいので、お暇な方はぜひ観てください。


それにしても「時効警察」はやっぱり素敵なのだ。新しいパンツはいて〜ぴょん。


エリ・エリ・レマ・サバクタニ


タイトルは「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや」という意味のヘブライ語だそうだ。レミング病と呼ばれる、感染すると自殺願望が高まる病気が蔓延する2015年の、たぶん日本が舞台。


たぶん、と書いたのは、はたして日本にこんな土地が存在するの?と思うような、圧倒的に空虚なくせに迫力ある大地が描かれているからで、エンドロールによれば、どうやらあれは釧路らしい。北海道、実は行ったことなくて、それってかなり損しているのかも。


青山真治の映画には、車もあまり通らないような山間の道が出てきてそれがちょっとホラーな気がする。「郊外」ともまた違うよね。ちなみに、中原昌也がとってもキュートだったのと、拗ねた感じの宮崎あおいもいいなと思ったのと、あと浅野忠信の語り口が黒沢清の『アカルイミライ』のときにそっくりで、実はこのふたつの映画は全然ちがう描き方だけどどこかでつながっているのかもしれないなと感じた。


エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD]

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かもめ食堂


フィンランドの静かな街で、「小さな子ども」のような日本人女性がひとりで経営している「かもめ食堂」。少しずつ人が訪れるにつれ、まったく無音だった空間に音が満ちてくる。小林聡美の凛とした姿がほとんどこの映画のすべてであるように思えるけれど、そういえば彼女だけ、フィンランドにやってきた理由がはっきりとは語られない。


かもめ食堂 [DVD]

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