エリ・エリ・レマ・サバクタニ


タイトルは「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや」という意味のヘブライ語だそうだ。レミング病と呼ばれる、感染すると自殺願望が高まる病気が蔓延する2015年の、たぶん日本が舞台。


たぶん、と書いたのは、はたして日本にこんな土地が存在するの?と思うような、圧倒的に空虚なくせに迫力ある大地が描かれているからで、エンドロールによれば、どうやらあれは釧路らしい。北海道、実は行ったことなくて、それってかなり損しているのかも。


青山真治の映画には、車もあまり通らないような山間の道が出てきてそれがちょっとホラーな気がする。「郊外」ともまた違うよね。ちなみに、中原昌也がとってもキュートだったのと、拗ねた感じの宮崎あおいもいいなと思ったのと、あと浅野忠信の語り口が黒沢清の『アカルイミライ』のときにそっくりで、実はこのふたつの映画は全然ちがう描き方だけどどこかでつながっているのかもしれないなと感じた。


エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD]

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