子どもの島に生きる


今日も彼女と連絡がとれない。これでもう何日目だ、と考えると怖くなるのでやめてしまった。彼女の友人によれば、失踪したわけではないらしい。生きていればまあいいかと思ってしまう。たぶんそこが致命的である。




ところで、星野智幸の『ロンリー・ハーツ・キラー』はまさしく「炎上」の世界。ウェブ日記や新聞投書の声明文を受けて、人々は暴走する群衆と化してゆく。荻上チキ『ウェブ炎上』で分析された、イラク人質事件における世論の動きに瓜ふたつだ。*1


この小説はかなり面白いと思います。ちょっと骨が折れますが、生きていることに空虚さを感じたり、世の中で流通する言葉に得体のしれない違和感を感じる人は、ぜひ読んでみてください。

*1:『ロンリー・ハーツ・キラー』の刊行は2004年1月だから、結果的に事件(同年4月)を先取りしている。