奇跡の盾


京王線の電車の中に親子がいて網棚の上にはドラゴンクエストWiiで出たやつが乗っている。その隣りにはジュンク堂書店新宿店の広告があって「日本一の書店を目指します」とある。また中吊り広告はテレビドラマの「受験の神様」だった。なんかこの混成された感じが素晴らしい。


ネット社会になってそれぞれの趣味が深く追求されてタコツボになるのかと思っていたのだが、意外に、そう簡単にはタコツボにならないというか、これはcharlieの『ウェブ社会の思想』の影響もあるのだが、やっぱり最終的に人は他人と関わらざるをえないのだと思う。つまり、人がたくさん行き来している〈街〉というのは未だにそれなりに機能していて、そこには趣味の世界に完全に閉ざされることなく染み出してくる何かがあるのだ。〈街〉はそういう意味ではメディアそのものなのだ。もちろん電車も。


ところで、くだんのドラクエはなぜかうちにも発売日からある。ゴスロリミニスカ少女が「いやん」とか言ったりする微妙なゲームなのだが、さすがに少年誌で健全なエッチを追求してきた鳥山明だけあって、そこは「萌え」とかには流れない際どいところを保っている。さて、同居人naoxiが「鏡の塔」にチャレンジしたのだが、装備も十分でなく、おまけに回復アイテムの薬草もすべて使い果たしたボス戦で、HP残り7ポイントから神懸かりの盾さばきですさまじい敵の猛攻を食い止め(このゲームは盾をうまく使えば敵からのダメージを回避できるのだ!)、かろうじてぎりぎり奇跡のくぐり抜けでそのステージをクリアしたのを観てマジで感動した。近年稀に見る手に汗握る闘いだった。ギャラリーを湧かせられるプレイができるゲーマーってすごいと思う。


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